オキシトシンは、数多くの研究によって、以下のような機能が備わっていることが分かっています。
・細胞分裂を促す
・傷の回復を早める
・低出生体重児の体重増加を助ける
・信頼関係が深まり警戒心を解いてリラックスする
・不安を軽減する
・痛みを感じにくくする
また、あるメタ分析(1)によるとNICU(新生児集中治療室;低体重出産、先天的な障害を持って生まれた新生児を保護する施設)に入れられた新生児に、オキシトシンの分泌を促すマッサージをすることで以下のような効果があったと確認されています。
・迷走神経の活性化(これが弱いと不注意傾向、処理能力の低下、刺激に対する反応が鈍る、不安が強い、うつ病のリスク向上などがある)
・胃の活性化(十分に栄養を吸収するのに必要)
・インスリンレベルの正常化
・神経の発達向上
・脳機能の発達向上
・新生児敗血症のリスク低下(血液中にバクテリアなどの細菌感染など)
・入院期間の短縮
・新生児ストレスの緩和
【併せて読みたい】マッサージの発達障がいの改善効果に関する記事はこちらから
→http://kid-academy.jp/column/323
それでは、マッサージ以外にもオキシトシンを増やす方法はないのでしょうか?
オキシトシンを増やすには以下の方法がおすすめ
・ハグなどのスキンシップ
→心地よいスキンシップはオキシトシンの出をよくする。
・寄付など社会的な貢献をする
→社会に貢献できているという気持ちによって様々な脳内ホルモンと社交性に関係ある脳機能が活性化される。
・仲の良い人と話し合い共感しあう
→同じ話で盛り上がり、共感できればオキシトシンが分泌されやすくなる。
・好きなところや居心地の良いところを散歩する
→リラックスした気持ちで創造性が高まるような場所を散歩することで、ストレス物質が処理され関節的にオキシトシンが出やすくなる。
・猫など、ふわふわした気持ちの良いものを撫でる
→肌触りの良いものを撫でることでオキシトシンが出やすくなる。ペットセラピーでも、動物を触ったり目を合わせるだけで血中のオキシトシン濃度が高まることが分かっている。
・マッサージを受ける、あるいは相手にマッサージをする
→マッサージをされると、スキンシップでもあり心地よいタッチでもあることからオキシトシンなどの脳内ホルモンが分泌される。逆に、マッサージをしている側もオキシトシンが出ることも分かっている。
・泣いてスッキリする
→ストレス物質を減らし間接的にオキシトシンを出しやすくさせる。
・呼吸に意識を向けて瞑想をする
→瞑想によるメリットは数多く、オキシトシンへのポジティブな影響も例外ではない。
・よく笑う。
→これにより、脳内麻薬と呼ばれるホルモン(エンドルフィン)などが分泌され、間接的にオキシトシンを増やす。
・仲の良い友達や恋人と食事をする。
→美味しいものを一緒に食べるということ、一緒に楽しい時間を過ごしているという状況が、様々なホルモンを出して間接的にオキシトシンの出もよくする。接待で美味しいものを食べていると商談が成立しやすいのもこの効果のおかげ。
まとめ
・とにかく楽しく心身共にワクワク出来るような毎日を過ごせるように心がけるだけでも脳のホルモン環境が改善できる。
(1)The effects of massage therapy in hospitalized preterm neonates: A systematic review.