マッサージによる効果は世界中で数多く報告されています。例をあげれば
1 大人がマッサージを受けると、血圧、心拍数、ストレスホルモンの値が低下する。
2 子供がマッサージを受けると、落ち着きが増し、問題行動や攻撃性が減り、対人関係が成熟する。家庭内不和や不適切な育児を受けて育った子供であればあるほど、マッサージを受ける前と後とでは変化が大きい。
3 低体重児の体重の増加が早まる。食べる量に変化がなかったとしても体重の増加率は上がる。
4 学習効率が上昇する。
5 自閉症児の症状が緩和される。長期的に行えば、軽度のASDであれば最終的にはASDが外れることもある。
6 ダウン症児の言語能力が高まる。
7 痛みに対して感覚が鈍くなり、慢性的な痛みがあった場合にはその痛みが軽減する。
8 傷の治りが早くなる
9 ASDであれば皮膚感覚の正常化が進む
10 マッサージを受けている人と施している人との絆が深まり相談事をしやすくなる。
など、とにかくメリットは非常に多いです。
実はこれらのほとんどは、あるホルモンの分泌と深く関係しています。
そのホルモンとは、オキシトシンと呼ばれるもので、日常の中では主に皮膚接触(スキンシップ)を通して得られます。
例えば、出産直後の母親に生まれたばかりの赤ん坊を抱かせるといった取り組みは、早期の皮膚接触を通してオキシトシンを分泌させ、母子の愛着をより確かなものにするためのものでもあります。
オキシトシンには様々な効果がある
先ほどあげたマッサージのメリットは、オキシトシンというホルモンを注射する、あるいは嗅がせることでも再現されます。
このような観察から、おそらくオキシトシンがさまざまな症状の改善に何らかの関わりがあると考えられています。
オキシトシンのイメージとしては、お産をスムーズにするためのホルモンという印象が強いかもしれません。しかし、実際には他にも数多くの場面で私たちの社会生活、対人関係や恋愛などを手助けすることが分かっています。
逆に言えば、このホルモンの分泌が悪ければ
・問題行動が増える
・対人関係がうまくいかなくなる
・痛みと不安を感じやすくなる
・体の成長が遅れる
・傷の治りが遅くなる
・学習に問題がでる
などといった症状に悩まされることがあるかもしれません。グレーゾーンや発達凹凸などであれば日頃からオキシトシンを増やすような取り組みを行えば徐々に改善されると考えられます。
ある研究では、自閉症児にオキシトシンを鼻から嗅がせただけで症状が一時的に緩和したという報告もあります。
発達障がい、慢性的な痛み、問題行動、学習効率などにポジティブな影響を与えるとなると、オキシトシンがとても重要であることは間違いありません。
ではどうすればこのホルモンが出やすくなるのでしょうか。
オキシトシンはすぐ消える
オキシトシンはあまり長くは血中には留まりません。つまり、マッサージやハグをすることによって、その間はオキシトシンが分泌されますが、マッサージが終わってしまうとオキシトシン濃度も徐々に低下します。
ですが、数多くの研究で、数回のオキシトシン注射で長期的な効果が現れることも分かってきています。
オキシトシンそのものはすぐに消えますが、オキシトシンの分泌を長期的に繰り返すことで社交性や落ち着きなどが向上します。どうやら、オキシトシンによって間接的に影響を受けた他のホルモンの分泌もよくなり、神経に変化を与え、ホルモンの受容体などが増え、長期的に見ても良い影響をもたらすようです。
つまり、一度のマッサージでは効果が薄くても、習慣的に行えば脳は加速的に変化して良い効果が得られるということになります。
ソウマハウスでは、脳の発達を促すマッサージも行なっており自閉症児の症状の緩和を促しています。
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