3歳の時点での子どもの言葉の伸び具合を見れば、その子が9歳になる時点での学力やIQを高い精度で予測できることをご存知でしょうか。
つまり、よくおしゃべりをし、問題なく意思の疎通ができるようであれば9歳の時点で平均を上回るIQを持てる可能性が高いということです。 逆に、3歳の時点で言葉の遅れが目立つようであれば、9歳の時点で学習障害か発達障がいと診断される可能性が残ると言うことです。
こうした状況を予防し、改善する方法があるとすれば一体どういったものでしょうか。
まず、言葉を聞くと脳はどんな反応をするのかを見ていきましょう。
赤ちゃんは前頭前野で言葉を聞く
赤ちゃんは、知らない言葉を聞くと脳にどんな反応が出るのかということに関する研究で、とても興味深い発見があります。
赤ちゃんは、日頃CDやDVDからではなく親や生身の人間の声を聞いて、少しずつ音・単語・文章のデータを取っています。その時に知らない言葉を聞くと、赤ちゃんの場合は前頭前野が活性化することが分かっています。そして、同じ単語を聞き続けると、前頭前野は活性化されずに代わりに言語野と呼ばれるところが活性化することが分かっています。これはつまり、その単語を学習したということです。
赤ちゃんの脳はいろんな方法で前頭前野を活性化させられるわけですが、その一つが「知らない単語を親から聞く」です。このことから、親がどれだけ幅広くいろんな話題で語りかけることができるかによって、赤ちゃんの前頭前野の発達に影響が出る可能性があるのです。
前頭前野の機能の高さと、発達障がいや学習障害のなりやすさは直結します。この時点でつまづくようなことがあれば、その赤ちゃんは成長後に苦労する場面が増えるかも知れません。
しかし、言い換えれば、しっかりと赤ちゃんのうちに親が語りかけをするだけで、赤ちゃんの脳の発達の遅れを予防できるとも考えられます。
3歳の時点で言語能力が遅れていると、前頭前野の機能が十分に発揮できない可能性がある
先ほどの赤ちゃんの言語に関する研究に続いて、冒頭で紹介した通り、3歳の時点での言語能力とその後の追跡調査によって9歳頃の学力を調べた研究があります。それによると、すでに述べたように、3歳の時点で言語に問題があるようだと後々の学力などにも困難が生じる可能性が高いのです。
しかし、すでに赤ちゃんの研究で分かっている通り、3歳頃までにしっかりと語りかけることで前頭前野は活性化され、言葉も伸びることが分かっています。どうにか3歳まで親が語りかけなどを粘ることができれば、将来の学習障害は発達障がいのリスクを減らせると言えます。
具体的にどういった話題や語りかけが良いかというと、詳細な分析によれば、手当たり次第なんでも良いというのが答えのようです。具体例をあげるとすれば以下の通りです。
・料理の実況
・洗濯物をたたんでいる時の手順の解説
・音楽の感想やイメージを解説する
・植物の特徴を言う
・天気の様子を話す
・子供の行動を実況する
・子供が興味を持って見ているものや遊びなどを解説する
ご覧のとおり、語りかけの内容は何でもよいことがわかります。そして、この語りかけを実践すればするほどIQは上がるのです。人によっては、語りかけを最大限に駆使して5歳の時点での兄弟のIQを130〜150にまで高めた人もいます。東大の平均IQが120と言われている中、150と言う数字はとても高いことがわかります。
語りかける、解説をすればするだけ子どもは驚異的な速さで学習をします。子どもがよく話すようになり、親の真似をしている様子は可愛いものなので親もだんだん楽しくなってくるでしょう。
そして、子どもの言葉の伸び具合で悩んでいる場合も、積極的に語りかけを実践して速やかに言葉の能力を取り戻すことがおすすめです。
まとめ
・赤ちゃんは、知らない単語を聞くと前頭前野が活性化される。
・前頭前野を使えば使うほど、将来的に成績優秀児になりやすい。
・前頭前野を使わなければ、将来的に学習障害などのリスクが高まる。
・3歳までにしっかりと語りかけや解説実況などをすれば、前頭前野だけでなく言葉も伸びて高いIQを獲得する。
・3歳を過ぎたとしても、語りかけや解説実況をすることで十分に脳を発達させることができる。
ソウマハウスでは語りかけによる積極的な介入をすることで発達障がい児の言語能力を伸ばしています。
もしお子さんに関してお悩みであれば、お気軽にご相談ください。