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自閉症児や言葉遅れが目立つ子の話す能力を伸ばす6つの方法

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 こちらの論文に載っている方法よると、4歳を過ぎても喋れなかった自閉症児のうちの約70パーセントが8歳を過ぎた時点では短いフレーズが話せるまで改善したということです。さらに、そのうちの47パーセントの子どもたちは、日常会話に問題がないほど改善していることも分かっています。また、社交性の高さと非言語性IQの高さが、のちの言語能力の獲得度合いと相関することも分かりました。

 つまり、4歳を過ぎても、ワーキングメモリなどの認知機能を鍛えれば、社交性を伸ばし言語の獲得能力を高めることができると考えられます。

 それでは、具体的にどのような方法で言語能力を高めればよいのでしょうか。以下の6つの方法を活用して是非ともお子さんの言語能力の向上にお役立てください。

 

遊びと関わりを増やす

 子どもは、遊びを通して学びます。言葉について学ぶ時も、例外ではありません。じゃれ合い、くすぐり合い、歌をうたうなど、保護者が積極的に遊びをリードしてあげましょう。そうした関わり合いを増やすことで、自閉症児の皮膚感覚の正常化や、脳から分泌されるホルモンであるオキシトシンの正常化を促します

 ただし、気をつけなければならないのは、遊ぶときに目線の高さを同じにしなければならないということです。大人は、子どもの目の高さに合わせてあげましょう。子どもから見やすい角度や高さに調節してやることで、顔や声に気付きやすくするのです。目線の高さが合っていないと、それだけで遊びから学ぶ効力は大きく減退してしまいます。

子どもの真似をする

 親は、子どもの遊びに気づいたら、積極的に真似をしてあげましょう。子どもの遊びを真似する親の姿を見かけるうちに、子ども自身もまた、親の振る舞いを真似して遊ぶようになります。特に危険な行動でなければ、どんどん真似しましょう。

 たとえば、子どもがボールを転がしたら、親も転がす。ボール同士をぶつけていたら、親は擬音つきでボールをぶつけながら遊ぶ。しかし、ミニカーを投げつけるような行いは、危険なので真似しない、といった具合にです。

 真似を通して、自閉症児のミラーニューロンは正常へと近づきます。

 

言葉を使わないコミュニケーションを活用する

 子どもと向き合う時は、身振り手振りも大きくしましょう。たとえば、「あれ!」と言いながら腕をまっすぐ伸ばして指をさす、「そうそう」や「うんうん」と言いながら大げさにうなずく、などです。

 身振り手振りは、子どもが真似しやすいようなシンプルなものがよいでしょう。手を叩く、手を開く、手を伸ばすといった動きは真似してもらいやすい動作です。あるいは、オモチャに指をさしてから拾って遊ぶという振る舞いを親がしてみせることで、子どもの「共同注視」の力は高まります。

 

子どもが言葉を発する機会を奪わない

 大人は、子どもが喋ろうとしているのを遮ってはいけません。親が子どもに質問した時や、子どもが何かを言いたそうにしている時は、親はじっと子どもが何を喋るか待たねばならないのです。しっかりと、期待を込めて子どもの目を見守ることが重要です。そして、子どもが何かを発したり、何か変化を見せたら、すぐにそれに反応してやるのも大切です。

 こうしたやりとりを通じて、子どもはコミュニケーションの重要性に気付きやすくなります。

親の言葉を子どものレベルに合わせる

 親の言葉はシンプルが第一です。シンプルであれば、それだけ子どもは真似をしやすくなります。最初は一語から始めましょう。もしも、子どもがボールで遊んでいたら、「ボール」、「コロコロ」、「ポイ」、「投げる」などといった言葉をかけてみましょう。子どもがそれらの単語を真似ることができるようになったら、今度は真似しやすい二語文を作って語りかけてやります。たとえば、「ボール、コロコロ」、「ボール、ポイ」、「ボール、投げて」などです。

 

 原則としては、子どもが真似できる言葉に一語足して語りかけてやるとよいでしょう。

 たとえば、子どもが「ボール、投げた」と言ったら、親は「ボール、いっぱい投げた」と答えてやります。あるいは、子どもが「車、欲しい」と言ったら、親は「赤い、車欲しい?」と尋ねてやります。子どもが「ご飯、食べたい」と言ったら、親は「ご飯、もっと食べたい?」と語りかけてやりましょう。

 

子どもの興味を活用する

 親は、子どもの興味に寄り添ってやりましょう。子どもが遊んでいるのを遮ってはいけません。そうではなく、子どもが興味を持って取り組んている遊びがあれば、親もそれに加わって、一緒に遊ぶのです。そして、先ほど説明した、“単語を一つ付け足す”原則を守りながら、子どもの遊びを言葉で描写してやるのです。

 たとえば、子どもが黙って型をはめる遊びをしている場合は、親は横で「三角」、「丸」、「入った」、「取れた」など、子どもの動きを描写してやるのです。一語を話せる子どもであれば、親は「丸、入った」、「三角、取れた」など二語文を作って声かけをしてあげましょう。

 

もしお子さんの言葉の伸びや発達の面で気になることがある場合、お気軽にこちらからお問い合わせください。

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