子どもの発達には個人差があり、それぞれ得意不得意なことがあるかと思います。
わらべうたには教育的な効果やメリットがあることは前回紹介しましたが、今回は子どもの苦手に適したわらべうたを紹介していきます。それぞれの苦手分野の原因を紐解きながら、どのような動きが必要なのか、どのようなわらべうたがその子の発達に対して効果的なのかを前後編に渡って一覧で紹介します。

動きまわる・好奇心旺盛な子
動き回る・好奇心旺盛な子の特徴として平衡感覚に対して刺激を求めている傾向にあります。
立ち歩くことやお昼寝の時に横になっていられないというのは平衡感覚が未発達なことが要因となっているのです。
そこで揺れることや前後左右に動くような要素があるわらべうたを取り入れることで、平衡感覚を育てることができます。平衡感覚を発達させると落ち着きが出たり、集中力を保つことにも繋がります。
<効果的なわらべうた>
- おふねがぎっちらこ
- うまはとしとし
- おすわりやす
- いもむしごろごろ
- どんぶかっか
- ももやももや
落ち着きがない・乱暴な子
落ち着きがない・乱暴な子というのはエネルギーが有り余ってしまっており、発散の仕方が分からないということが原因です。エネルギーの発散する手段が少ないため動き回ることでしか発散できなかったり、どうしようも無くなった時に思わず手が出てしまうようなことに繋がります。また、エネルギーをうまく手足に伝える事ができないため、蹴る・たたくという行動になってしまっているのです。そこで運動感覚や平衡感覚する刺激するわらべうたを取り入れることで、遊びの中で自然とエネルギーを発散することができます。動き回ってしまうような子も一緒に手を繋いでグルグルと回るような遊びをすれば楽しく発散することができます。それだけでなく、リズムに合わせることで行動に落ち着きを出すことも期待できるでしょう。
<効果的なわらべうた>
- おしくらまんじゅう
- ちびすけどっこい
- なかなかほい
- どんどばし
- あんたがたどこさ
不安の強い子・感覚が鈍い子
不安の強い子・感覚が鈍い子というのは抱っこなどの触れ合う経験が少ないことが原因です。皮膚感覚の発達は小さい頃の触れ合いの数が大きく関係しています。そのため触れ合いの多いわらべうたを取り入れることで触覚を育て、安心感を持てるようになるのです。くすぐったりすることで子どもとの距離を縮め、信頼関係を築くことができるので、触れ合いの多いわらべうたを取り入れると良いでしょう。
<効果的なわらべうた>
- いちりにりさんり
- いっぽんばし
- とうきょうとにほんばし
- いちばちとまった
- お・な・べ・ふ
- おやゆびねむれ
手先が不器用な子
指先をうまく動かすということは、就学後の勉強にも繋がっていきます。数を数える時に指を折るように、指を独立して動かすことは算数・計算にも関わりが深いです。しかしながら、その指先の運動がうまくできないと数の概念の習得が遅れてしまいます。そこで積極的に指先を独立して動かすようなわらべうたを取り入れることが効果的でしょう。また、子どもは大きな動きから段々と小さな細かい動きを覚えます。よって手を回すなど大きな動きも苦手な子には、腕→肘から下→手首→指先というように大きな部分から段階を踏んで動きを取り入れるのも良いでしょう。
<効果的なわらべうた>
- いちにっさんにのしのご
- おせんべいやけた(手首の動き)
- もちっこやいて(手首の動き)
- ちゃつぼ
- こどもとこどもがけんかして
- せんべいせんべいやけた
- いっちくたっちく
動きがぎこちない子
動きがぎこちない子は自分自身のボディイメージを持てていないことが多いです。よって大きく身体を動かしたり、自分の身体を認識するようなわらべうたを取り入れると効果的でしょう。片足をあげるなどの動きをすることで、運動感覚を育み、自分の身体を思うように動かす(コントロールできる)ようになることができます。
<効果的なわらべうた>
- ちびすけどっこい
- くまさんくまさん
- なべなべそこぬけ
- たけのこめだした
- どんぐりころちゃん
後編に続く