革新的なことを始めようと試みると、古参から反対される、多くの批判を浴びる、伝統を重んじる重鎮が真っ向から対立するという構図は珍しいものではありません。
下克上や伝統的な制度の改革、新しい技術や方法論が見つかっても、その活用に一定数は反対する人たちがいます。例えば、精神分析の分野に脳科学を持ち込むのを嫌がる精神科医は少なくありません。突破口の可能性を秘めていることを見抜いて積極的に活用する人もいれば、猛烈に批判して頑なに伝統を守る人もいます。
人の一般的な傾向としては、若いうちはまだある程度の柔軟性を持っていろんなものの考え方を受け入れますが、加齢によってそれが難しくなります。ではなぜ、加齢によって柔軟な思考が損なわれ、伝統主義であればあるほど腰が曲がり、顔の肉が垂れてくるのでしょうか?
加齢によって影響を受ける体とその変化
その理由として考えられるのが以下の通りです。
加齢により・・・
・流動性知性が減少する:先を予測して自分の行動を変えたり、臨機応変な対応をしたり、自分の感情をコントロールすることが難しくなる。
・結晶性知性が高まる:経験や学問的な知識は増えるためにかえって頭でっかちになり、経験や知識量に対するプライドが柔軟な思考の切り替えを邪魔する。
・セロトニンが減る【その1】:こだわり行動が増え、成り行きに任せて周りに合わせることが難しくなる。今までの習慣を崩されるのを極端に嫌がる。
・セロトニンが減る【その2】:副交感神経に正常な信号の伝達ができず、顔の表情筋は弱まる。さらに、姿勢を維持する背中の筋力の調節もうまくいかなくなる。結果的に、背筋が曲がって顔の皮が垂れる。
つまり、簡単にまとめますと、新しい方法や技術に対して猛反対する人はセロトニンが不足しているか、前頭前野の機能が軽度に障害されている可能性があります。それにより、思考パターンや普段の姿勢などに特徴が現れます。
実は、これらの特徴は、自閉症やADHDの子など発達障がいの人に見られるものに近いといえます。障害されている脳機能や脳の部位がほとんど同じである以上、予防方法も改善方法も当然同じです。
どうすれば柔軟で型破りな考えを受け入れられる自分になれるか
これらの特徴を変えたい場合は以下がおすすめです。
・セロトニンを増やすサプリメントの摂取や食生活を心がける
・前頭前野を鍛えるために脳機能向上のトレーニングを行い、抑制機能や記憶力を高める。
・自分の今まで持っていた価値観をあえて批判し、そこからさらに反論するなどで思考の切り替えの柔軟性を高めるトレーニングをする。
・ワクワクできるwant toのゴールを設定してそこに近づくために日々行動と選択を繰り返す。
これらはどれも重要なトレーニングで、全て並行して行うことでもっとも効果が高まります。それが難しい場合は、プロのコーチを雇ってゴールの達成を助けてもらうなどのヘルプを借りるのもいいかと思います。