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ADHDの子供の前頭前野の機能をどうやって科学者は測るのか?

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研究者などが発達障がいに関する論文を書くとなると、場合によっては数多くの発達障がい児の前頭前野の機能を測る必要が出てきます。

様々ある脳の機能の中でも、とりわけ発達障がい児の将来性などに関連が深い「言語的なワーキングメモリ」「視覚的なワーキングメモリ」「自己抑制機能」の三つをどのようにして調べているのでしょうか。

 

まずは、よく使われている代表的な知能検査を解説します。

 

知能検査の種類

 

WIPPSI-Ⅲ

 未就学児のための知能検査

WISC-Ⅳ

 6〜16歳に使われる知能検査

WAIS-Ⅲ

 大人のための知能検査

Stanford-Binet 5th revision

 2歳から大人まで幅広く使える知能検査

K-ABC

  3歳から18歳までに使われる知能検査

NEPSY

 3歳から16歳までに使われる知能検査

 

少なくともこれだけあります。

 

では、実際にStanford-Binet 5th revisionNEPSY で使われている検査方法を紹介します

 

言語性ワーキングメモリー

 

memory for sentences” と呼ばれる方法はとても単純で、聞いた文章を子供に復唱させるというものです。

 

初めは短い文章を復唱させ、徐々に単語を増やしていきます。最終的には、どれだけの文章の長さを復唱できるかの限界を試し、その長さによって大まかな記憶力を測定します。年齢によっても復唱できる文章の長さは変わるので、年齢に合わせて同じ年代の人々と比較して、記憶力が低いか高いかを判断します。

 

視覚性ワーキングメモリー

 

delayed response” では、三つのコップを用意してそのうちの一つにおもちゃを隠します。箱などでコップを全て隠し、数秒ほど経ってから箱をどかします。どこにおもちゃが入っていたかを覚えているかを聞きます。

 続いて、三つをコップのうち一つにおもちゃを隠し、その状態でコップをそれぞれ順番を入れ替えます。その後、おもちゃの入っていたコップがどこにあるかをしっかりと当てられるかを聞きます。

 

block span”では、ブロックをいくつかテーブルに用意します。検査人は、ランダムにブロックを指差し、その順番通りに子供がブロックを指せるかを検査します。これも視覚的な短期記憶を試すテストです。

 

自己抑制機能

 

“Statue”では名前の通り石像のように、75秒間目をつぶって動かないように指示を与えてどれだけじっとしていられるかを測る検査方法です。検査人は、定期的に子供から反応を引き出すような妨害をし、それに対して子供が反応の抑制をできるかどうかも見ます。

 5秒おきに一切話さないか動かないかで2点ずつ加点されます。一言だけ話す、少し動いた場合は1点加点されます。二言かそれ以上話す、動きすぎた場合は加点されません。このようにして、点数が高ければ高いほど自己抑制機能は高く、点数が低ければ自己抑制機能が低いことがわかります。

少しにやける、指が動いてしまう、咳が出てしまった場合は問題なしとされ減点対象とされません。このテストの最高得点は30点となります。

 

まとめ

 

・行われているテストはどれも単純で、3歳児にも使える

・テストであると同時に、いい訓練方法でもあるので家庭でも遊びながら試せる

 

参考文献

 

Does IQ influence Associations between ADHD Symptoms and other Cognitive Functions in young Preschoolers? Nina Rohrer-Baumgartner

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