columnコラム

発達障害の種類 ADHDその1

2017/05/28

発達障害という言葉は聞いたことがあるけれど、どういった種類があるのかは分からないという方は多いかもしれません。

ここで簡単に代表的なものをいくつか紹介させていただきます。

・自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)
・ADHD
・知的障害

今回はADHDに絞って話を進めていきます。

 

ADHDの種類

 

ADHDは大きく分けて二つに分類できます。

不注意優勢型
多動・衝動性優勢型

脳の機能から考えて比較的軽度と考えられるのが、不注意優勢型です。

逆に、多動・衝動優勢型は不注意も併存していることがほとんどなので、症状は重いということになります。

ADHDの一般的な症状は以下の通りです。

・10分で済む宿題を2時間ほど見張らないと終わらせられない。
・先生からは「本当はやればできるのですが、ぼんやりとしていて実力を発揮できずにいる」とよく言われる。
・朝、起こす時になんども同じことを言われなければ動かない。
・先延ばしが多く、夏休みの宿題なども始業式ギリギリになってようやく取り掛かる。
・部屋がとても散らかっている。
・お店やよその家で、ものを壊すのではないかとハラハラさせるような行動を取る。
・何か教わるたびに、すぐに他に気を取られて集中できない。
・ダメと言われたことでも何度もする。
・すぐにかんしゃくをおこす、あるいはすねる。

軽度のものから重症なものなど色々とありますが、これらで複数当てはまる場合はADHDの可能性が考えられます。

 

ADHDの6パターン

 

ADHDはさらに細かく分類することも可能です。

分類は以下の通りとなります。

1 多動性、衝動性の強いタイプ
2 不注意が多いタイプ
3 こだわりが強い過集中タイプ
4 学習性無気力、ネガティブ思考タイプ
5 とてもイライラしやすく、暴力的な願望や空想が次々と浮かんでくるタイプ
6 とても反抗的で、少ない刺激でも爆発的に怒り狂うタイプ

それぞれ障害されている脳の部位が違うものの、表に現れる症状は非常に似通っているのですべて「ADHD」と括られることが多いです。

障害されている脳の部位が違う以上、分類に応じて処方される薬や食育も当然変わってきます。

しかし、表に現れる症状がどれもよく似ているので医者でもその細かい違いを鑑別するのに非常に苦労します。それにより、処方された薬が全く逆の効果となって現れたというケースもあります。

ですが、どれも共通しているのは、適度な運動とタンパク質の摂取はとても良い改善効果を及ぼすと言える点です。

運動とタンパク質の多い食事をすることで、ドーパミンなどの脳内物質が増えて結果的に脳の機能が改善されます。

 

事例

 

それでは、先ほどあげた6つの中から、1番の多動性、衝動性が強いタイプに絞って話を進めます。

 

ADHDから改善した事例:Aくん

 

「彼はとにかく落ち着きがなく、じっと座ることが苦手です。いつももぞもぞと手足や体を動かしており、静かにしているのがとても難しいようです。学校など集団生活の場面では、考える前に話したり、質問を聞き終える前に先に答えを言ってしまいます。給食の時も食べ終わるまで座って入られません。また、順番を待つことが苦手で、他の人が話していても割り込んでしまいます。ゲームの順番を守ることもとても苦手ですね。しょっちゅう双子の兄にケンカを売っては毎回大騒ぎです。」

毎回通知簿に、先生が変わっても似たようなことが書かれます。

親は買い物へ行くのも一苦労です。勝手にどこかへ行ってしまったり、品物をいじったり、延々とお菓子をねだります。

A君が5歳の時に医者へ連れて行った際には、医者から「2〜3年で自然によくなりますよ」と言われたのですが、一向にそうなる気配はありません。

コンピューターで注意力や衝動性を計測できるテスト(コナーズ式CPT)をしたところ、とても成績が悪く衝動性が高いことがわかりました。
しばらくしたら、発達障害にくわしい教育コンサルタントが学校まで様子を見にきてくれました。

コンサルタントが言うには、「Aくんは、普段は好きなことであればのびのびと学習しますが、集中しなければならない場面や緊張を強いられる場面では、かえって注意力が低下しています。つまり、テストなどになると一転して脳の機能が低下している可能性が高いです。ADHDにはこういったタイプは非常に多いので、よく『本当はやればできるのに』『実力を隠して怠けている』という評価が付いて回ることがあります。Aくんもそのタイプのようですね。」とのこと。

コンサルタントからのアドバイスで、A君は高タンパク質・低炭水化物の食事に切り替えて、運動をする習慣をつけました。トランポリンをおすすめされたのでそれを買ったところとても喜んでずっと跳ねています。

それと並行してワーキングメモリトレーニングや注意機能のトレーニングをしたところ、今では勉強もできるようになり、目の前の課題に集中して取り組めるようになりました。

 

ADHDから改善せず、

反社会性パーソナリティ障害へと

進行した事例:Bさん

 

Bさんは生まれたときからベビーベッド内で落ち着きなくもぞもぞ動くことがありました。ハイハイを覚えると、とてもスピードが速く、2歳になるころには常にエネルギー全開で動き回っていました。

2歳半を過ぎたあたりから、車との接触事故、側溝にハマる、スーパーのカートから転落するなど、多動からくる事故が頻繁に起きるようになりました。

ある時は、スーパーで迷子になり、母親が見つけると「遅いじゃないか、何していたんだ!」とBさんはかんしゃくを起こしてしまいます。

幼稚園では友達との口喧嘩が多く、周りからよく「口が達者」という評価を得ていました。

小学校へ進学すると、授業には集中できず、うろうろしてしまうための一番前の席に座らされることが多くなります。
それでも、授業中にも関わらず隣りや後ろの席のクラスメイトに話しかけることが増え、先生に注意されてばかりいます。しかし、だんだんと言い訳が増えてきて「後ろの人が悪い」とすぐに人のせいにするようになりました。

そのため、次第に先生やクラスメイトからの評価が下がり、Bさんは孤立することが増えていきました。Bさんには“自分が悪い”という発想がなく常に誰かのせいにしてしまう、他罰的、他責傾向が強かった。

心配した母はBさんと共に相談機関へと赴きます。

Bさんはおちゃらけた態度で相談員に話しかけたためか、相談員は「面白い子だ、きっと大丈夫ですよ」と母に助言をするに止まりました。

(ここまでで、既にADHDの要件を満たすだけの行動が度々見かけられています。
この時点で本来ならば、おそらくADHDと診断されていた可能性が高いです。)

小学四年生になったBさんは、宿題をしなさいと言ってくる母と度々口論するようになります。テレビゲームも兄弟で取り合いになりかんしゃくを起こすことも度々です。

親は次第に体罰で言うことを聞かせることが多くなり、Bさんも初めは泣いていました。
しかし、体罰でも泣かなくなりむしろ反抗することが増えてきます。

小学5年生になったBさんは学校でも教師に反論することが増え、友人間との口論も常に相手のせいにしていたために、ますます校内での孤立化が進んでしまいました。

小学6年になると、下級生などからゲームを借りてはそのまま返さず、「もらった」と言い張っては相手を責めるようになります。このころになると、「昔の恨みを晴らす」と言いながら兄弟に対してハサミなどで危害を加えるようになりました。

(ADHDに対しての体罰は、のちの人格障害に繋がる危険性を大幅に高めてしまいます。
この時点ではおそらく「反抗挑戦性障害」と診断されていた可能性が高いです。)

Bさんは、中学1年の時点ではBさんに対して不満を持っていたクラスメイトからいじめられていました。
そのストレスからBさんは飼っていた猫を床に叩きつけて死なせてしまいます。

中学2年では、コンパスの針で他人をつつく、鼻水のついたティッシュを女子の顔につけるなど行い教師から叱られます。しかし、Bさんは叱られるたびに机を蹴飛ばす、椅子を放り投げるなどして授業を妨害していました。

偏差値の低い高校へ入学したBさんは、クラスメイトから万単位のお金を無心しては返さない、木刀を持って「俺をバカにしたやつら全員殺してやる」と騒ぐなどといった異様な行動が目立つようになりました。

無断外泊が続き、シンナーを持っているところを警察に補導されることもありました。

(この時点で、素行障害と診断されていた可能性が高いです。)

Bさんは、いろいろなアルバイトをしますが、どれも長続きしません。
トラブルを起こしてクビになるだけではなく、細かいミスの連続を周りから指摘されることに腹を立て、自分から辞めることも多くありました。

仕事のあてもなく、夜の街を徘徊することが増えます。
ある時、店員と口論になり殴ってしまいます。その裏から現れた暴力団員たちから暴行をうけるものの、スカウトされます。

もともと口が達者だったので、女性を言葉巧みに誘い、風俗店などで働かせてマージンを得ていました。

家賃の未払いが1年続いたために退去させられたBさん、電車ではキセル行為を行いながらもスカウトでマージンを得る日々が続いていました。

ある日、盗品が発覚し執行猶予処分となりました。

(この時点で、反社会性パーソナリティ障害であると診断される可能性が高いです。)

 

発達障害の改善は人格障害の予防に繋がる

 

A君とBさんは、最初はどちらも乳幼児期からの“落ち着きのなさ”という症状を持っていました。後の二人の未来の明暗を分けたのは、そういった一連の症状を改善しようと、早い段階で適切なサポートを受けることができたかどうかが大きな要素となっているはずです。

ソウマハウスではこのように長期的な視点で物事を考え、将来的なリスクの予防だけでなく成人後も人格のポジティブな発展を可能とする独自のメソッドがあります。

この記事が良かったら

お子様のこと。これからのこと。
なんでもご相談ください!

TEL.078-230-1171

電話受付  平日 10:00~17:00

お問い合わせ・面談はこちらから