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未就学児の脳を最適化させ、将来性を最大限に高める科学的な方法 【中編その2】

子どもたちが将来的に社会でうまく生き抜いていくためには、(1)自己制御、(2)共感力、(3)言葉によるコミュニケーション能力、これら三つの力を鍛えるべきです。

 

 これまで、2回に渡って子どもたちの適応力を上げる具体的な方法を6つ紹介してきました。

 今回は、7〜10までをご紹介します。

 

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7. 子どもに“親切さ”を教える時に気をつけねばならないこと

 前回の記事では、子どもに「与える(譲る)」ことの喜びや、誰かを助けること、協力することの快さを教えるには、繰り返し誘導してしつける方法が効果的であると紹介しました。

 しかし、誘導の仕方を間違えると、子ども自身が持っている意欲を傷つけてしまう危険性があるのです

 その間違った方法とは、強制と、ご褒美を与えることです。

 

 赤ちゃんや幼児たちを対象にしたさまざまな実験の結果によれば、子どもは、大人が思っているよりも早い時期から「共感」する力を見せることが分かっています。生後1歳未満の赤ちゃんでさえ、他の人が“落ち込んでいる”ことに気づきます。あるいは、自力では手の届かない距離にある物を取ろうとしている人が居たら、頼まれなくても、代わりに取ってあげるといった行為もできるのです。

 どうして赤ちゃんや幼児は、訓練した訳でもないのに利他的な行いができるのでしょうか。その理由についてはいくつかの説があるため、一つに絞ることは難しいです。日頃から他者と関わる中で学んでいる面もあるでしょうし、もとから、ある程度の「共感」力の土台が備わっているのかもしれません。

 

 ここで大切なのは、幼い子どもたちの利他的な振る舞いは、大人が原因を突き止めるのが難しいほど「自発的」である、ということです。

 

 繰り返しになりますが、この「自発的」な行動は、大人からの強制やご褒美によって傷ついてしまうという点に、私たち大人は注意しなければなりません。

 たとえば、「言うことを聞かないと罰を与えるよ」などといった、脅しや強制によって“良い行い”を無理強いするのは禁物です。そうではなく、子どもに「どう行動するか」を自分で選ばせる方が、その子の寛容さや親切心はより大きく健やかに育つのです。

 また、子どもがとった利他的な行いに対して、オモチャなどのご褒美を与えてしまうと、その後、似たような人助けの場面で、子どもは以前よりも消極的になってしまうことも、実験で分かっています。

 

 もちろん、どんな場合であっても絶対にご褒美をあげてはいけない、という意味ではありません。褒美が良い刺激になる場面もあります。しかしながら、ご褒美をあげることが習慣化してしまうと、子ども自身の内側から沸き起こる自発的なやる気はしぼんで、「もらえるからやる」へと変わってしまうのです。それはもはや「利他的な行動」ではありません。もらえなければやらない、質の低い振る舞いしかできなくなってしまうのです。

8.謝り方・改め方・許し方を教えてやること

 幼児は、何か嫌な体験をした時に、それが自分のせいなのか、それとも自分以外の何かのせいなのか、といった違いを区別できます。そして、自分が原因の場合は、状況を改善しようとする強い意志を見せます。

 

 この違いを理解しているからこそ、友達とのグループの中で過ごす時に、自分の間違いを認める姿勢、つまり「謝る」ことは重要になります。仲間内で起きたトラブルに対して、傷つけた側が謝らなかった場合、当然、その子どもに対する嫌悪感は大きくなります。そして、その状態が続くと、いずれは「仲間外れ」の道へと繋がってしまうのです。

 

 だからこそ、子どもには自分の間違いを謝り、改めることを学ばせてやらなければなりません。

 それでは、友達のオモチャを取った、友達を泣かせた、遊びを邪魔した子どもに対して、私たちは具体的にどのような態度を取るべきなのでしょうか。

 友達を傷つけたり不快にさせるような振る舞いをしたことに対してその子自身が自力で状況を良くするための行動を取るのは困難です。だから、まずはどんな風に謝ったらよいのか手本を見せるべきなのです。たとえば、友達のオモチャを奪って泣かせてしまったのならば、謝ってからオモチャを返す、あるいは、さらに自分のオモチャを差し出して一緒に遊ぶなどさせましょう。ただ「ごめんね」と言葉だけで伝えるのではなく、相手が受けた不快感やショックを取り除いてやるような、友好的な態度を示させるべきです。

 

 また、友達からの謝罪を穏やかに受け入れる姿勢も、教えてあげなければなりません。その時、誰にでも間違いはあることだと覚えさせると、他者への寛容さも育てられるでしょう。

 

9. 感謝について教え、話し合うこと

 感謝の気持ちを表現することは、社会生活を円滑におくるために欠かせません。感謝の表明は、私たちを対立から遠ざけ、より友好的な関係へと近づけてくれるものです。人は、他者から受けた親切さや優しさのことを思い出すだけでも、友好的になれるのです。

 

 そのため、個人だけではなく社会の将来の展望を明るくする力のある“感謝の気持ち”について、実際の授業に取り入れているプリスクールもあるほどです。その授業では、子どもたちは、世界中で行われている人々の利他的な行動についての物語を読み、それについて話し合います。

10. ネガティヴな動機で徒党を組まず、いじめや仲間はずれのサインに注意すること

 時として、子どもの友人関係が悪化してしまうことがあります。そんな時は、元のグループを抜け、新しい友達との付き合いを始めるのが最善の治療法になる場合もあります。

 

 子どもたちが自由時間にどのようなグループで何をして遊んでいるかを観察した研究があります。それによれば、いくつかのグループは非常にネガティヴな感情で結びつき、反社会的な行動を取るという特徴を持っていることが分かりました。そのようなグループは、社会性の低い集団と言えるでしょう。

 

 ところで、もしも自分の子どもが仲間はずれにされていたら、どんな対応をすればよいのでしょうか。

 気をつけなければならないのは、幼少期に仲間はずれにされる体験をしてしまうと、発達に悪影響を及ぼして、問題行動として現れるリスクが高まるということです。逆に、仲間から受け入れられる体験は、リスクの軽減に繋がります。

 

 もしも、あなたのお子さんが友達のグループから仲間はずれにされてしまったら、たった一人でもよいので、別の友達との関係を築く手助けをしてあげましょう。友達がひとり居ることが、子どもを仲間はずれの苦痛やリスクから守ってくれるのです。

 また、仲間外れにされることで、友達付き合いから遠ざかってしまう以上、どこかで社会性を学ぶ関係性を確保しなければなりません。子どもの将来のためには、助け合い、分け合い、他者へ気を配ることを学べる関係が必要なのです。

 それでは、もしもいじめのターゲットにされてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。保護者として、教師に相談するのは当然です。同時に、身を守る方法としてあなた自身が取るであろう行動を、子どもに話してみるのもよいでしょう。

 

 あるいは逆に、自分の子どもが友達に対して攻撃的であったら、どうすればよいでしょうか。その時は、我が子には自分自身の衝動を理解し、コントロールする方法を学ぶ必要があることを認めましょう。自分自身の内面にある感情と向き合い、それを改善するための建設的な方法について一緒に考えるのです。

 いずれにせよ、いじめや仲間はずれは、我慢しなければならないものではありません。

 

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