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「うちの子は集中力や注意力が低い」実は注意機能には4種類ある!

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うちの子、集中力がないのはなぜ?

 

 遊びでも、読書でも、宿題でも、やり始めたと思ったらもう放り出して違うことをしている。会話をすると、話題がどんどん他の内容に変わってしまう。

 こんな風に、子どもの挙動に一貫性がなく、ソワソワと落ち着かないように見えて心配になることはありませんか?あるいは逆に、我が子が何か課題をやり始めても、それを最後まで終えられずにいる姿が、ボンヤリと怠けているように見えることはありませんか。

 一見すると、ソワソワと落ち着かない姿と、ボンヤリしている姿は正反対に見えます。しかし、これらは同じ脳機能障害によります。ただ、表面に現れる症状が異なるだけで、根っこの部分では同じ問題を抱えているのです。


“注意障害”をご存知ですか?

 

 注意障害とは、先に述べた「ソワソワと落ち着かない」ように見える状態や、逆に「ボンヤリと怠けている」ように見える状態の根っこにある、脳機能障害のことです。

 整理すると、注意障害には以下の通り、4つの種類があります。

 

 1:全般性注意障害

 

 注意機能が全体的に障害を負います。これは、脳の注意力と関わる部分に傷を負うなどすると、起きる可能性があるものです。現れ方としては、表情に豊かさがなく、目の動きにもはっきりとした意志が見られなくなる、などがあります。自分のことについてうまく説明できず、日付や曜日が答えられない、簡単な計算を間違えることが多くなったりします。

 

 2:容量性注意障害

 

 人は、何かを考えたり行動したりするために、短い間であれ情報を覚えている必要があります。たとえば、物語を読むためには、前の文章を覚えておく必要がありますし、計算問題を解くためには、数字を覚えておかなければなりません。

 容量性注意障害とは、この「一度に覚えていられる情報の量」が減ってしまう障害です。この障害を抱えると、簡単な質問には答えることができても、ちょっと複雑な質問にはうまく返事ができないようになったりします。その他にも、一度に複数のことをこなせなくなったり、短い文章は読めるのに、長い文章は読めない、桁の少ない暗算はできても、数が大きくなるとできないといった困難を抱えるようになります。


 3:選択(方向)性注意障害

 

 この障害は、目の前に広がるたくさんの物事から、自分が何に注意を向けるべきかを選び取ることができなくなる状態です。

 たとえば、あなたが道を歩いていたとします。目の前には街中の景色が広がっています。ちょうど曲がり角から車が出てきました。身の安全を守るためには、その車の動きに注意を向けなければなりません。しかし、この障害を負っていると、目の前の景色の中から、その車だけに注意を向けるのが難しくなってしまうのです。あるいは、交通事故に遭わないために信号機だけに注意を向ける、といったことができなくなったりするのです。また、一度、特定のものにだけ注意を向けると、たとえ用が済んでも、そこから目が離せなくなってしまうのも、この障害の特徴です。

 また、この障害の代表的な症状に「半側無視」というものがあります。これは、脳の右側に傷を負うと、それ以降、左側の空間に注意が向かなくなり、反対に、脳の左側に傷を負うと、それ以降、右側の空間に注意が向かなくなる症状のことです。

 

 4:持続性注意障害

 

 何かを始めて終わらせるためには、注意力をその課題ないし活動に集中し続ける必要があります。持続性注意とは、ある事に向けた注意を、一定の強さで保ち続ける注意のことです。この持続性注意が障害されると、注意を一定の強さで維持するのが難しくなります。注意の向け方にムラっ気が出やすくなり、集中力が続かなくなるのです。

 この障害は、短い会話のやり取りの中などでは目立たないのですが、話が長引いたりすると、話の内容が変わりやすくなるなどの特徴が出てきます。他にも、“口を開け続ける”、“舌を出し続ける”といった、単純な動作を持続できなくなることがあります。

 実生活でもっとも厄介なのは、この障害によって、仕事や課題をこなすのが難しくなってしまうことでしょう。集中力が維持できないため、やるべきことでも中断しがちになってしまうのです。新聞や本を読み続けることさえ困難な時もありますし、話題をコロコロと変えてしまうので、話相手に違和感を与えることもあるでしょう。


注意力を改善するワーキングメモリートレーニング

 

 先に説明したことからも分かる通り、注意力が散漫で落ち着きがない、宿題に手をつけても途中で放り出す、といった行動は、単に「だらしがない」といった問題ではありません。 そして、こうした注意力の低下を巡る問題は、発達障がい児が抱える症状の中でも代表的なものです。

 注意力を維持できるかどうかが本人の気の持ちようではない代わりに、この障害には、効果的な改善方法があります。それが「ワーキングメモリトレーニング」です。

 ワーキングメモリトレーニングとは、脳の「意味のある情報を一時的に保持しつつ適切に操作する機能」を向上させるための訓練です。この「ワーキングメモリ」とは、人間が人間らしく考えたり行動したりする際に一番大切な、「前頭前野」という脳の部分にある神経システムの中心です。そのため、単なる「記憶力」をアップさせるといった訓練とは大きく異なり、人が自分自身を適切にコントロールするための、あらゆる力の基礎にあると言えます。ですから、ワーキングメモリがきちんとはたらいているかどうかは、その人の感情や、人間関係、社会での振る舞いなど、人の生活の全般を左右するのです。

 

 ワーキングメモリトレーニングは、相馬ハウスが発達障がい児の療育を行う中で、とても重要視している取り組みの中の一つです。というのも、人の脳の中でも、ワーキングメモリは、さまざまな力の基礎であるため、どんなことをするにも、結局はワーキングメモリの向上を目指す必要があるからです。

 特に、8歳以下の子供の場合、脳の機能が未分化であることが、ワーキングメモリトレーニングの効果にとてもプラスに働きます。というのも、脳の機能がまだはっきりと区分されていないために、ワーキングメモリを鍛えれば、脳の他の機能も向上させられるからです。簡単に言えば、ワーキングメモリと高めれば、勉強はもちろんのこと、運動もできるようになるということです。

 

 ただし、ここで注意しなければならないのは、ワーキングメモリトレーニングには、それを始める適切な時期があるということです。定型発達の子供であれば、4歳以降ですし、発達障がい児の場合は、ワーキングメモリが低下しているので、5〜6歳から始めるのが適しています。

 といっても、これはあくまでも目安でしかありません。5歳になったからといって、すぐに訓練を始められるかと言えばそうではなく、子供ひとりひとりの発達の程度を見極め、トレーニングを開始してよいかどうかを見極める必要があるのです。まだトレーニングを始める段階ではない、と判断できた場合は、たとえ5歳であっても6歳であっても、まずは「ワーキングメモリトレーニングを始めてもよい」レベルまで、別の療育を施して脳機能を整える必要があります。

 

 ですから、くれぐれも注意していただきたいのは、「子供の知能を高める」とか「記憶力をアップさせる」といったような、いわゆる「天才児」をつくるための知能訓練にまどわされないことです。というのも、そういった知能アップの訓練には、脳科学の観点からみて、むしろ脳の発達に悪影響なものもあるからです。低年齢での知能訓練は不適切です。また、高価な教材も必要ありません。脳の基礎的な力を鍛えることが、発達障がいの改善には何よりも大切ですし、そうすることで、定型発達の子供に追いつくどころか、追い抜いてしまうことさえあるほどです。

 

 いったい、自分の子供はワーキングメモリトレーニングを実践してよい発達の段階なのかといった見極めも含め、お子様の発達が気がかりな保護者様は、ぜひ一度、相馬ハウスにご相談下さい。

 

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